ライブ視聴した2018と2022年のサッカーワールドカップ開催国抽選会 BBCスポーツ

すでにご存知の方も多いかと思いますが、日本時間の12月3日(2010年)過ぎ、国際サッカー連盟ことFIFAより、2018および2022年の開催国が発表されました。2018年はロシア、2022年はカタールとなり、前者は東欧、後者は中東と、これまでにホストを務めたことのない地域の国に決定しました。

 

2018年開催に立候補した国は、ロシア以外では、イングランド、共催提案のスペイン・ポルトガル、オランダ・ベルギーであり、ロシアのほかにも、開催未経験国があるとはいえ、これまで開催したヨーロッパの国は、西欧ばかりです。ワールドカップは、ヨーロッパのものと言われることがありますが、その中でも、西ヨーロッパと言った方が、適切なのかもしれません。一方、2022年開催に立候補した国は、カタール以外では、日本、韓国、アメリカ、オーストラリアであり、未開催は、カタールとオーストラリアでした。当初は、設備や予想収益面からアメリカが最有力と見られていましたが、カタールという、いろんな意味で注目を集める、中東地域の一国に決まりました。

 

結局、FIFAは、2018年も2022年も、2010年から続く、もっと言えば、21世紀に入ってからの「冒険」を今後も続けて行こうとの表明かもしれません。2006年のドイツ、次回2014年のブラジル以外は、日本と韓国の共催、そして、今年(2010年)の南アフリカと、国内でサッカーが盛んであるとしても、国際的には、サッカーの伝統国として、あまり知られていない国々で開催されました。この流れに、ロシアとカタールが続くということは、少なくとも、21世紀初頭は、サッカーのさらなる世界への浸透を狙っているとも言えるでしょう。

 

わたしは、今回のFIFA World Cup Bid(FIFAワールドカップ抽選会)をBBCのライブ放送で視聴しました。HideIP VPNと契約しているので、BBC iPlayerを利用しました。正直、わたし個人としては、イングランドなら前回の自国開催から半世紀以上が経ち(1966年)、しかも、抽選会前から有力候補と見られていたため、大丈夫では、と思っていました。

 

けれども、ワールドカップは、オリンピック以上の国際大会とも言われるせいか、色々な思惑が絡み、政治的な要素もあり、様々なニュースが流れています。結果的として、表向き納得可能な理屈であったとしても、その裏には種々の深い意味があるのかもしれません。

 
 

今回のワールドカップ抽選会については、BBCの番組を視聴するようになってから、ニュース番組などで良く見聞きするようになりました。イングランドについては、半世紀以上も、ワールドカップでの優勝がなく、しかも、自国開催時でのものであり、今回の抽選会に掛ける思いは、敢えて言えば、日本以上であったと言えるでしょう。その流れとも言えるのでしょうか? BBCのニュースプログラムに、「Panorama」という番組があり、FIFAに関する特集が放映されました。イングランド招致のエピソードではなく、一種の告発番組とも言え、前々から話題になっていたFIFA理事のbribery(贈収賄)についてで、新たに三人の理事の疑惑が浮上し、しかも、彼らの実名を番組内で明かにし、追跡取材も行っていました。

 

- BBC:Panorama
- Fifa’s Dirty Secrets

 

この特集が放映されたのは、ワールドカップ抽選会の3日前であり、その数日前には、放映予定が明らかにされたのか、FIFAから非難の声が上がり、しかも、BBCラジオの「World Have Your Say」という番組で、放映の正当性について、聴取者も含めながら議論が起きていました。

 

- Blog – World Have Your Say
- Podcasts – World Have Your Say

 

わたしは、BBC iPlayerで、「Fifa’s Dirty Secrets」を視聴してみました。全体的な感想を言えば、通常のジャーナリスティックな内容であり、報道機関発の番組らしいと言えるでしょう。TBSテレビに「報道特集」という番組がありますが、かつては、毎週のように視聴していました。ずいぶん前になりますが、グリコ・森永事件の特集が放映され、今でもビデオを持っています。「Fifa’s Dirty Secrets」を見ながら、「報道特集」のキャスターが、結婚詐欺疑惑の渦中の人物を訪れ、玄関越しに殴られたシーンを思い出し、やじ馬の、さらに、やじ馬のようなわたしには、ジャーナリストも大変な仕事だな、とつい思ってしまいました。(^。^)

 

とにかく、「Fifa’s Dirty Secrets」を視聴後、これでイングランドが落選したら、FIFA理事のケツの穴も小さいな、と思いました。結果として、そうなってしまい、さらには、獲得投票数が自国理事を含め2票しかなく、過半数を取るまで、最小得票国が振い落とされる、抽選会の第一回目で、落選したとのことです。実は、この番組の前にも、イギリスの大衆紙が、FIFA理事の疑惑について報道しています。その時も方々で話題になり、BBCのものは、それに追随した形になるでしょう。

 

けれども、「Fifa’s Dirty Secrets」を担当した記者は、すでに前回のワールドカップ大会から、FIFA理事の疑惑について追跡取材を行っていました。もちろん、番組内でも、その一場面が放映されています。もしかしたら、FIFAとイングランドとの間には、歴史の長い反目があるのかもしれません。果たして、ワールドカップの抽選会でイングランドが落ちたのは、「Panorama」の影響が大きかったのでしょうか?

 

仮に影響があったとしても、形式的であるとはいえ、開催国決定は投票に委ねられています。買収であろうがなんであろうが、最終的な結果が投票になる以上、それまでの活動が重要と言えるでしょう。組織が大きくなればなるほど、政治力が大事になり、本年(2010年)東京都がオリンピック開催国から落選した際、オリンピック開催の抽選会は、どこかの政党の総裁選のようだ、との批評がありましたが、国内でそういうことができるのに、なぜ国外ではできないんだ、と思いました。いわゆるロビーイングにも、種々の方法があるでしょうし、なにより、金銭が掛かることは、買収云々をしなくても、当然のことかもしれません。むしろ、買収に負けないだけの、いろんな意味でのコスト負担をしなければ、世界的なスポーツ大会などの開催には漕ぎ着けないのかもしれません。

 

2018年のワールドカップ開催について、イングランドでは、FA(イングランドサッカー協会)が全面的に活動し、しかも、日本と比べれば、国民の期待も高ったと言えるでしょう。ロビーイングの問題も、立候補表明頃からニュースともなっていましたが、それでも、半世紀以上、ワールドカップ未開催であり、ヨーロッパ辺境の連合王国の一国でもあり、なおかつ、近代サッカーの母国でもあれば、開催への意欲は、並々ならぬものがあったとも言えます。

 

もし2018年の開催がイングランドに決まっていれば、2012年のロンドン五輪、2015年のラグビーワールドカップに続き、個人的には、HideIP VPN経由での視聴を楽しみにしていました。もっとも、そこまで現在のサービスが利用可能であることが前提となっています(笑)。しかし、そういう楽しみも、半減してしまったことは確かであり、これもまた、政治力の問題と言えば、それまでかもしれません。ワールドカップ抽選会の結果が出たとはいえ、イングランドにおいては、まだまだこの話題がホットなトピックの一つのようです。BBCのサイトでは、以下のような記事が掲載され、FIFAとFAの関係が、サッカーの試合以外では、今後さらにギクシャクするかもしれません。

 

- Roger Burden to quit as FA chairman in Fifa protest

 

イングランドとサッカーの関係は、サッカー協会が、FA(Football Association)と名乗っていることで、全てを語っているかもしれません。日本でいえば、日本と柔道のような関係であり、サッカーは、自国のお家芸と言っても過言ではないでしょう。そこに、他国にはないプライドが生まれても仕方ないとも言えますが、現代のサッカーは、親離れした子供と同様と言ったら、語弊があるでしょうか? (^。^)

 
 

一方、日本の結果については、こちらこそ、至極納得できるものと言えます。そのせいか、イングランドと異なり、振い落とし形式の抽選会の2回目で落選したと聞き、その点では健闘では?、と思ってしまいました。しかし、ワールドカップの開催国は一国であり、結果が全てでもあるので、落選が1回目であろうが2回目であろうが、どちらも変わりはないでしょう。日本が、2022年大会開催に立候補したニュースは、ずいぶん前から知っていました。正直、2002年に、共催とはいえ一度開催しているので、内心で興ざめしていました。結局、この思いは、わたしばかりでなく、多くの人が共有していたことかもしれません。

 

また、東京都がオリンピック開催国抽選会で落ちた時と同様、民間レベルでの盛り上がりも、あまりなかったように思います。やはり、イングランドに比べれば、この点では、遥かに相違した点と言えるでしょう。2022年は、カタール開催に決まったため、アジアの国が立候補できるのは、FIFAの規定により、2大会後からと言われています。次に立候補できるのは、2034年以降となっていますが、ニュースの中では、中国の立候補が取り沙汰されています。わたし個人としては、インドも来るのでは、と思っていますが、そうなれば、すでに開催経験のある日本は、ますます後塵を拝するでしょう。

 

JFA(日本サッカー協会)は、2050年までにワールドカップ単独開催をし、なおかつ、ワールドカップでの優勝も目指しているようですが、開催に関しては、目標に届くかどうか分かりません。優勝についても、どうかな、と思っていますが、2010年南アフリカ大会の好成績を今後も継続できるかによるでしょう。今回の抽選会で思ったことは、開催国となって予選免除になるよりも、きちんと地域予選を勝ち、そうして、本大会でもきっりと勝利し、実力でサッカーの頂点を目指すのが大事だ、ということです。少々綺麗事でも、サッカーファンとしては、やはり、開催国云々よりも、開催で実施される試合の質向上に、より関心があると言えないでしょうか?

 

もっとも、FIFAには、理事の問題とともに、審判の問題もあります。2010年南アフリカ大会では、ランパード(イングランド代表)のミドルシュートが、映像ではゴールインしているのに、審判の見逃しによりノーゴールとされました。ビデオ判定導入については、ずいぶん前から議論されていますが、今後もますます論議が盛んになるかもしれず、その急先鋒がもしかしたらイングランドになり、プレミアでのビデオ判定導入も、正式に決定するかもしれません。

 

ともあれ、日本人のネイティヴでありながらも、イギリスのサッカーに興味のあるわたしにとっては、今回の抽選会の結果には、残念な思いがあることも、確かです。仮に2018と2022年にイングランドと日本での開催となっていれば、ますますHideIP VPN経由によるBBC視聴が楽しみになりましたが、現実は甘くない、ということでしょう。(^。^)

 

しかし、サッカーにおいては、来年女子のワールドカップがあります。きしくも、予選リーグでイングランドと日本が同組になり、是非、BBCで放送して欲しいと思いました。実は、イングランド女子代表の試合を、本年(2010年)、BBC iPlayerで視聴しています。イングランド女子代表には、身長が180センチ以上の選手が多く、150センチそこそこしかない選手もいる日本女子代表は、大変だろうと思います。そうは言っても、FIFAランクでは、日本の方が上であり、最後は個人と言われるサッカーでも、チームスポーツであることに変わりはないでしょう。もうそろそろで年も明けますが、来年(2011年)の夏を今から楽しみにしています。

 

- BBC : England drawn with Japan in Women’s World Cup group

- 日刊 : B組日本はイングランドと 女子W杯抽選

 

そう言えば、FIFA理事の疑惑を放映した「Panorama」ですが、わたしは、これまで何度か視聴し、番組終了後のテロップに、Englandの文字を見たことがありません。問題のものは「BBC Nothern Ireland」となっていましたし、肥満を取り扱ったものでは、「BBC Scotland」となっていました。あるBBCのラジオ番組で、スコットランドの聴取者が、2010年のワールドカップ開催には興味はないが、イングランドでするくらいなら、ロシアに譲った方がいい、との意見もありました。イギリスは、あくまで連合王国であり、元々内部的に対立している部分があることも見聞きしています。ワールドカップ開催で、それが表に出たのかな?、と一人穿った見方も持っています。

 

また、BBCでの抽選会ライブ放送中、開催国の発表前に、FIFAのブラッター会長のスピーチがありました。その途中で、イングランドが一回目の投票で落ち、2票しか得られなかったとのテロップが流れました。しかも、「Gary Lineker」の文字があり、草創期のJリーグで選手として所属していたリネカーからの伝聞とのことでした。ホントかな、と思っていたら、その数分後に、イングランドの落選が正式に表明され、この情報収集力もまた、かつての大英帝国の遺産では、とも思ってしまいました。

 

今回は、2018および2022年のワールドカップ開催国抽選会について、お話してきました。ずいぶん長くなりましたが、ここまでお読みいただきましたら、作者冥利に尽きると思います。次回もまた、よろしくお願いします。

 

 



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