アップテンポな現代版「三銃士」 The Musketeers BBCドラマ

三銃士と言えば、お分かりになる方もいらっしゃるでしょう。フランス王朝で組織された近衛兵と呼ぶこともでき、王を守る精鋭部隊とも言えます。かつて小説なども作られ、今では童話でも親しまれているかもしれません。BBCドラマの「The Musketeers」は、そんな三銃士を下敷きとし、ルイ王朝時代のフランスが舞台です。しかし、どのルイ王朝であるのかは明確ではなく、フランス中世を舞台にし、とりわけ、スペインとの関係が中心で、イングランドとの関係は、テーマとはなっていないようです。

 

そのためでしょうか? オープニングテーマがフラメンコを連想させ、初めて見た時、フランスではなく、スペインをイメージしました。もしかたら、今後のシーズンで、スペインがさらに前面に出て来るのかもしれません。けれども、オープニングテーマが象徴しているように、アップテンポなドラマであり、ついついストーリーに引き込まれてしまいます。

 

正直、わたしが見始めたのは、シーズン2からで、昨年(2014年)放送されたシーズン1は、ダイジェストしか知りません。もしかしたら、スペイン以外の国との関係も、取り上げられていたかもしれませんが、先で触れているように、アップテンポなドラマであるため、時間があっという間に過ぎるような感じです。現代ならではのCGを使ったアクションなどもあり、話の展開もスピーディーであるので、娯楽ドラマとして十分見応えがあります。

 

しかし、これは個人的な思いですが、わたしの苦手分野である恋愛が、物語のテーマにも深く関わっています。仮にそれを欲望の一つとすれば、もっと範囲を広げても良いのでは?、と思いました。特にシーズン2では、スペインから嫁いで来た王妃を慕っている臣下が、最後までストーリーを展開していきます。恋心のみでなく、大きな権力欲なども含まれていれば、もう少し膨らみがあったのでは、とも思います。

 

そうは言っても、これは高望みかもしれません。生意気な言い方になりますが、BBCと言えども、やはりテレビ局であり、大衆を相手にしています。どこかの国の公共放送よりは、見るに値する番組が多いことは否めませんが、限界があることもまた、確かなことでしょう。

 

また、わたしは、西欧史を大雑把にしか理解していないため、ルイ王朝があったことを知っていても、細かなことまで分かりません。その点、歴史好き、とりわけ、西欧史に興味がある人は、楽しめる面がより多いかもしれません。しかし、歴史に関係しているとはいえ、あくまでフィクションであることは確かです。ルイ王朝時代の西欧人が、今日的な意味での個人を意識していたかと言えば、わたしは疑問に思います。仮に「個」という意識があったとしても、絶対王政の時代であるため、今とは違った「個」ではないでしょうか?

 

それを鑑みれば、「The Musketeers」の登場人物は、あくまで近代以降の人間であり、現代人に擬制したものであることに変わりはありません。葛藤などのあり方は、ルイ王朝時代のフランスを舞台にしながらも、現代人の葛藤の表れでもあるでしょう。もっとも、こうまでしなくても、純粋に娯楽ドラマとして見る方が、気軽に楽しめると思います。(^o^)

 

さらに、イギリスでフランスが舞台のドラマ?、と疑問に感じる人もいるかもしれませんが、日本でも、海外を舞台にした映画などがあるため、それと同様なことでしょう。もっとも犬猿の仲と言われたフランスを舞台にしたドラマであるので、何らかの意図があるのでは?、と訝る人もいるかもしれません。わたしには皆目分かりませんが。(笑) 

 


– 2017年1月移転後撮影 –
(Netflix)

 

ところで、シーズン2の中では、思いもよらず、「日本」を感じてしまったシーンがあります。エピソードの何話目であるのかは忘れてしまいましたが、地方貴族出身ともいえるMusketeersの一人が、ひょんなことで地元の人間に連れ去られました。その地域の豪族でしょうが、彼らの物品などを強奪しているため、助けて欲しいと懇願されました。Musketeersの一人は、故郷を捨てた身であり、助けることはしないと言い張っていましたが、仲間のMusketeersが訪れ、人々の状況を把握し、説得などすることで、地方豪族との戦いを決意します。

 

その際、村人たちに訓練を施したり、柵を築かせたりします。一連の場面を見ながら、これは「七人の侍」だ、と思いました。Musketeersは5人であり、なおかつ、王の兵士になるので、「七人の侍」のような浪人や落ち武者の集まりではありません。けれども、結局、一緒になって戦い、祖先たちが占めていた土地を彼らに譲ることになり、ついつい「勝ったのは、あの農民たちだ」という志村喬のセリフが頭に浮かんできました。

 

このドラマの監督が、「七人の侍」を意識しながら作っていたのかはわかりません。けれども、公開当時、世界でも話題となり、今でも人気のある作品です。わたしも、好きな日本映画の一つであり、日本のアクション映画としては、まだまだ一級品では、と思っています。それだけ、自然と影響力が生まれる作品かもしれません。

 

また、「The Musketeers」に関わらず、BBCのドラマなどでローアングルが使われていると、つい小津安二郎を連想します。「東京物語」などは、今でも世界で人気があり、しかも、イギリスの映画学校では、小津作品が教科書として利用されていると聞いたことがあります。現在では、変わっているのかもしれませんが、わたしのような者には、イギリスの映像作品でローアングルが使われていると、小津安二郎の映画が浮かんできます。

 

実際、「The Musketeers」の中でも、ローアングルが使われ、小津ショットだ、と思ってしまいました。とりわけ、会話の切替で使われていることが多く、やはり、影響が全くないとは言えないようにも感じています。もっとも、上記のことは、わたしの穿った見方かもしれませんが、日本の影響力を一番知らないのは日本人、ということは、日本国内から海外のテレビ番組などを視聴していても、しばしば感じることです。

 

なお、シーズン2は、先月27日(2015年3月)に終了したばかりです。後半の数話は、現時点(2015年4月)でも、BBC iPlayerで配信されています。わたしは、HideIP VPNibVPNを使い、BBC iPlayer Downloadsでローカルパソコンに落とし、視聴しました。今ではSDとHDのどちらかを選べるようになっていますが、わたしにおいては、SDでも十分な映像でした。BBC iPlayer Downloadsを使うと、バッファになることがほとんどなく、ストレスなく最後まで見ることができます。

 

しかし、著作権の関係等で、ダウンロードできない作品もあります。特に、映画においては、多くの作品でダウンロードができないようになっています。そうは言っても、BBCのオリジナルドラマであれば、ダウンロード不可のものにお目に掛かったことはありません。

 

長くなりました。相変わらず、下手な文章となっていますが、何らかのご参考になれば幸いです。次回もまた、よろしくお願いします。

 

 

 
 

追記 : 2017年1月29日
現在、Netflix(ネットフリックス)やAmazonビデオなどでも配信されています。Netflixであれば、シーズン2まで視聴することができます。

 
 

 



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