行く河の流れを感じたメジロライアンの訃報

メジロライアンが亡くなった。1987年に誕生し、享年29歳である。馬は長生きする動物と言われるが、20代前半だったわたしが、すでに40代半ばとなっているため、その言われもまた、至極納得が行く。月並みな言葉かもしれないが、心から哀悼の意を表したい。

 

JRAニュース : メジロライアン号が死亡

 

このサイトでは、わたし個人の思い出の馬などを投稿している。メジロライアンと同期と言えば、やはり、アイネスフウジンである。アイネスフウジンに関しては、すでに記事をアップしているが、その中でも、メジロライアンについて少し触れている。両馬は、何度か対戦しているが、中でも1990年の日本ダービーは忘れられない。詳細は、アイネスフウジンの記事に譲るが、東京競馬場の直線勝負の姿は、今でもわたしの脳裏に浮かんでくる。アイネスフウジンを応援していたとはいえ、メジロライアンの追い上げには、ハラハラドキドキしていたことは確かだ。

 

競馬コラム : 忘れられないアイネスフウジンとナカノコール

 

当時は、第二次競馬ブームであり、オグリキャップ、スーパークリーク、イナリワンなどが現役で活躍していた。毎回、大勢の人が競馬場に押し掛け、オヤジの遊びから大衆レジャーへ変化した時期でもあるだろう。メジロライアンも、人気馬の一頭であり、同じ厩舎のメジロマックイーンと共に、大いに支持を受けていた。

 

けれども、メジロマックイーンと違い、G1ではなかなか勝てなかった。支持を受けても、結果が付かず、わたしのような者には、今回もダメだろうと思わせていた。しかし、人気は衰えず、とりわけ、女性層に人気があったようだ。トウカイテイオーのように独特の前髪を有していたという訳ではなく、挑んでも挑んでも、なかなかG1で勝てなかった姿に、共感したのかもしれない。

 

そんな中、メジロライアンがようやくG1を手にした。1991年の宝塚記念である。おそらくメジロライアンにとって、最高のレースであったかもしれない。しかも、追い込み馬でありながら、第三コーナーを過ぎた辺りから先頭集団に加わり、第四コーナーを回ると先頭になり、そのまま得意の追い込み脚を活かし、後続を振り切った。二着にメジロマックイーンが入り、メジロ牧場のワン・ツーとなる結果だった。専門家がどのように評していたのか忘れたが、わたしからすれば、奇襲攻撃であり、見事的中したとも言えるだろう。

 

 

同年の有馬記念にも、メジロライアンは出走した。4歳(数え)時にも出ているため、二年連続となった。5番人気に押されたが、二桁着順となり、G1二勝目を果たすことができなかった。しかも、競馬史に残るような大番狂わせがあり、ダイユウサクが優勝した年、と言えば、ピンと来る人もいることだろう。二着はメジロマックイーンであり、ファンの中には、宝塚記念と同様、メジロのワン・ツーを期待していた人も多かったと思う。これもまた、競馬の面白さであり、物語が紡がれる理由でもあるのだろう。

 

 

翌年、メジロライアンはAJC杯に出走したが、6着に敗れた。しかし、日経賞で勝ち、多くのファンが復帰したと思ったに違いない。けれども、日経賞での勝利がメジロライアンの現役最期のレースとなり、最期の勝利ともなった。前年に発症してい屈腱炎を再発し、惜しまれながらの引退となった。種牡馬になると、メジロブライトやメジロドーベルなどを輩出し、2007年まで活躍した。2011年には、競馬ファンにはお馴染みであったメジロ牧場が倒産し、レイクヴィラファームで余生を送り、本年(2016年)3月17日に老衰のため、この世を去った。

 

おそらくメジロライアンの現役時代を知っている人は、40代以上の人が多いだろう。第二次競馬ブームの頃に活躍し、メジロライアンがきっかけで、競馬を始めた人も多いかもしない。同世代としては、先述しているアイネスフウジン、ハクタイセイ、あるいは、メジロマックイーンなどがいる。メジロ牧場の代表馬であり、メジロライアンを皮切りに、メジロマックイーンとメジロパーマーも宝塚記念を勝ち、しかも三年連続でメジロ牧場の馬が獲得した。当時、わたしのような者は、メジロの名を聞くだけで、嫌なこともあった。

 

けれども、メジロラインが亡くなり、本年(2016年)まで生きていたというのが、驚きであり、感慨深いものもある。時代は流れるものだが、仕方ないという気持ちとともに、どこかぽっかりと穴の開いたような気持ちにもなる。おそらくメジロライアンは、競馬史の中で語られるかもしれないが、個人的にも、同時代に競馬を知り、しかも、再開後まで生きていたという事実がある。テレビでしか見たことはないが、これもまた、何かしらの縁なのかもしれない。

 

メジロライアンの訃報を聞き、改めて、行く河の流れを感じている。

 

参照 : メジロライアン(Wiki)

 

 



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