すでに多くの人がご存知でしょう。日本時間の7月3日午前3時からロシアW杯のベルギーvs日本戦が行われ、3-2で日本が惜しくも敗れてしまいました。
0-0のスコアレス・ドローで前半が終わり、日本ペースであるのでこれは行けるのではないか、と思いました。後半になって試合が動き、48分と52分に日本が先制し、会場が大いに盛り上がりました。
わたしは毎度の如くHideIPVPNを使って、BBCサイトで視聴していました。
実況も解説者も興奮し、特に52分に決めた無回転シュートは見事というしかありません。わたしの耳には「brilliant goal」と聞こえました。後に大会一のゴールでは、との声も上がったようです。
わたしは前半の戦い等を見ながら、ベルギーは日本と相性が良くないかな、と思いました。親善試合も含め、これまでの戦績は日本の2勝2分1敗。ベルギーはスター軍団であり、優勝候補の一角です。
海外メディアは、断然ベルギーが有利と予想していました。しかし、たとえ面子が違えど、日本との戦績はほぼ五分です。こういう数字を見落としているのでは、とも思いました。
しかし、さすがはスター軍団です。後半ベルギーの選手が2人入れ代わり、流れが変わりました。69分と74分ベルギーがゴールしたことで、試合が振り出しに戻りました。
そうして後半のアディショナル・タイム。まもなく4分となり、延長になるのではと思った時です。日本のコーナーキックからベルギーのキーパーが弾き、あれよあれよいう間に日本の陣地にボールが渡り、速攻カウンターからの決勝弾となりました。
センターサークルから日本のボールとなった瞬間、主審のホイッスル。試合終了となり、日本初のベスト8進出の夢が潰えました。
けれども、試合としては非常に面白かったです。日本に肩入れしている面を抜いても、これまで見たロシアW杯の中でベストゲームと言え、おそらく後々まで語られることでしょう。
ベスト16で2点ビハインドからの勝利は約半世紀ぶりとのことで、これもまた日本の名と共に、歴史に刻まれたと言えます。
多くの人が思うことは結果は残念だったが、日本はよくやったということでしょう。わたしもそのように思いますし、試合終了後は少し目頭が熱くなり、しばらく呆然としました。
サッカーの2-0は逆転が起きやすいと言われています。1点返すともう1点だと気持ちが高まり、同点になると押せ押せで逆転というパターンです。
わたしはもう1点日本が決めればと思っていました。しかしそれが叶わず1失点で抑えろとも思っていましたが、結果的にはパターン通りになったと言えるでしょう。
また同点となる2点とも、ヘッドで決められていました。次々と入り、ふと2006年ドイツ大会の一次リーグ初戦で、オーストラリアに立て続けに点を入れられたシーンを連想しました。
サッカーのようなスポーツは、イケイケになるとなかなか止めることが難しくなります。しかしわたしの言葉にすれば、流動的なチームスポーツなので、流れがクルクル変わります。
さすがにスター軍団のベルギー。自分たちの流れだと思ったら、きっちり点を掴み取り、最後の最後でゴールを決め、見事勝利したと言えるでしょう。
日本もまた課題ができたと言えます。リードしている時のあり方、ふっと気の抜ける所。ワールドカップという真剣勝負の場で得たことは、貴重であったとも言えます。
まだまだの面がありながらも、日本サッカーは着実に進化していると思います。韓国やイランにも勝てなかった弱い日本代表を知る身としては、敗れたとはいえ、真剣勝負の場でベルギーのような優勝候補の国と互角に渡り合ったことは、夢のように感じます。
ポーランド戦の「消極的試合運び」はこれで帳消し。胸を張って堂々と帰国すればいい。生意気にもそんなことを思いました。しかし、これで満足やおこがましくなってはいけないと思います。
課題は見えました。魔物が潜んでいるようなワールドカップの舞台で勝ち切る姿勢を保ち続けること。わたしが言えるのは、この点でしょう。
しかし、日本スタイルというものはすでに出来上がったかもしれません。状況を見ながら素早くパスを回し、時に個人の技術で相手守備を撹乱し、得点をゲットする。FWはゲッターばかりでなく潰れ役にもなる。一人一人が自主的な献身さを持つことが、日本スタイルの基盤でもあるでしょう。
試合自体も非常にクリーンでした。日本ばかりでなくベルギーにおいてもです。警告枚数も少なく、ラフプレーや子供じみた抗議シーンもなく、サッカーの素晴らしさを存分に披露してくれました。そしてセネガル人の審判は、きちんと公平に裁いていたと思います。
夢は4年後へ。確かにそうであろうと思います。
しかしその前に重要なイベントがあります。来年2019年には女子ワールドカップがフランスで開催され、なでしこジャパンの出場が決まっています。
下馬評の良くないチームがここまでインパクトを与える試合を、ワールドカップで行いました。つい2011年の再来を思うは、わたしだけでしょうか?2010年南アフリカ大会ではベスト16に進出しました。今大会も同様です。
サムライ・ブルー。ようやくその名に恥じないチームを目にできたように思います。
参照:
- 他力の不安も敗けるが勝ちの試合 日本対ポーランド W杯ロシア2018 BBCスポーツ
- 日本らしさを表現し尽した90分間。 (Number Web)
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