とりとめのない言葉

時にモヤモヤッとした感覚に囚われる。かつて「ぼんやりとした不安」という言葉を残し、この世を去った有名な作家がいたが、そんな大それたものではない。本当にモヤモヤッとしたものだ。霧に包まれているのでもない。あるいは、暗闇に閉ざされているのでもない。

 

そこにいるとは分かっていながらも、どこか遠くを見つめているような、そんな感覚である。おそらく先の「ぼんやりとした不安」の「ぼんやり」は同じでも、「不安」ではない。心配でもなければ、憂鬱でもない。基点も定点もない、どこか浮ついた感覚でもある。

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