年が明けてから、二ヶ月が過ぎようとしている。来月下旬ともなれば、桜の開花予想がなされ、見頃時期などがテレビで放映される。もっとも、テレビを見なくなってから久しくなるので、わたしの場合、ニュースサイトからである。
否が応でも目に入る。
だからこそ、桜が日本の花なのであろう。別に嫌いな訳ではなく、実際は桜が楽しみである。このサイトでも、近所の桜について、あれこれ書いているが、わたしの場合は必然的に夜桜になるので、人混みの中での鑑賞とはならない。
隣に愛犬を従い、街灯にライトアップされた桜が、今のわたしの桜である。人工灯であるので、自然の美しさとは言えない。おそらく偶然の美しさであり、桜のためではなく、人のための灯火が、たまたま桜を引き立てているのであろう。
都市部を離れれば、さらに美しい桜があるかもしれない。そのために出掛けるのもまた、楽しいことであろう。しかし、それだけが桜鑑賞の喜びではない。地に足を付けた見慣れた処だからこそ、美しいものを見つけることができる。いや、そういう処だからこそ、余計に際立った美しさを感じてしまうのかもしれない。
そういえば、一歩路地に入れば、そこから旅が始まる、という言葉を聞いたことがある。慣れた土地であっても、路地などに入れば時に驚くことを見つけられるという意味なのだろう。灯台下暗し、でも同じようであり、案外、大切なものは身近なところで発見できるのかもしれない。
とにかく、今年(2016年)の桜も楽しみである。正直、毎年桜の時期が待ち遠しく、犬の散歩そっちのけで、喜びに浸っている。