血走った眼(まなこ)

暗闇の底から眼が光る

わたしは驚き慄き固唾を飲んだ

 

獲物を狙うような血走った眼

わたしは急いで駆け出した

 

振り返ると眼が追って来る

必死になって逃げるわたし

 

走った距離はわからない

息が荒くなり 立ち止まって振り返った

 

眼は離れていない さらに血走り

ずんずんわたしを追って来る

 

再び駆け出した 逃げ出した

足取りが重く なかなか先へ進めない

 

まだ追い掛けて来る

どんどん近づいてくる

 

わたしは叫び声を上げた

必死になって抗いたかった

 

わたしは怒鳴り声を上げた

止めろ 止めてくれ!!

 

両の眼が巨大になり 両の牙も現れた

だらだらとよだれが流れ わたしは身震いした

 

狙っている 喰らいつこうとしている

声が出なくなったが 必死になって言葉を発した

 

止めろ 止めてくれ!!

止めろ 止めてくれ!!

 

ふと気がつけば 数人の子供たちが

輪を作り 幼い歌声が響いている

 

♪かごめかごめ かごの中の鳥は

 

耳を傾けていると 先程までの恐れが消え

和やかな気持ちになって来た

 

♪いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った

 

そうだこれだ そうなんだこれなんだ!!

わたしも歌った 懐かしい曲

 

そうだこれだ そうなんだこれなんだ!!

わたしもやった この遊び

 

♪後ろの正面 だあれ

 

最後の旋律が響くと 子供たちが一斉に振り向いた

わたしの方へ わたしがいる方へ

 

いくつもの血走った眼が再び現れ 背筋が凍るようだった

一体わたしは 何をしたというのか?

 

(^。^)(^。^)(^。^)

 

 中止
期待