いつまで

曇り空の中 わたしは出掛けた

病院の付添人 もしもの時の代理人

 

同意書にサインし 母に手渡していた

 

散歩道を進みながら 南を見れば 雨雲が広がっていた

陽も出ていたので 大丈夫だろうと思っていた

 

バイパス沿いの病院に着き 二階の眼科へ向かった

汗だくになり 自販機で麦茶を買い ロビーの椅子で一息ついた

メールを出すと すぐに返事が来た 一階の待合室にいる

 

まったくと思いながらも 一安心だった

 

簡単な手術であったので すぐに終わり 

母は元気そのもの 折角なので 喫茶室に入った。

 

トーストとたこ焼き トロピカルドリンクとアイスティー

ソファに座り ああでもないこうでもないと話した

 

実に久しぶりに母と外でゆっくりした

 

病院を出ると 雨が降っていた 

晴れ男 いつものわたしならそうだ

珍しい 心の中で苦笑いした

 

二人で帰路についた 散歩道を進んだ

にわか雨と分かっていても 結構な降り

結局晴れ上がったが これもまた珍しいと心の中で苦笑いした

 

母はチョコチョコした歩調 わたしはスタスタした歩調

合わせるのはわたしだった 想定通り そう思っていた

 

以前ならイライラしたが そうはならなかった

異種族の「娘」のおかげ わたしより母の年齢に近い

 

よくよく見れば 母も以前より変わった

シワも増え 少し耳も遠くなり 体も痩せてきた

だんだん祖母と似てきて 瓜二つのようだ

 

前から言われていたが 今では実感している

そしてどちらも 田舎言葉を使う

 

ごせいやける 嫌になると決まって口に出している

 

雨の降る中 時に並列 時に縦列で歩いた

母もわたしも昭和生まれ 元号が同じでも明らかな違いがある

 

母は戦争前 わたしは高度成長以後 世のあり方は大きく異る

今言われている昭和は たかだが20年程度 

 

昭和には60年以上の歴史がある

 

自宅に着くと わたしは自室へ入った 

隅で「娘」が 寝ていた

 

いつまで ふと そんなことを感じた

 

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虫の声