泣きたい時だってあるさ
きらびやかな生き方でもない
華やかな生き方でもない
けれど でも それでも
後悔はある
日記・創作・私見等の集い
わたしは時折、ストンッ、と落ちることがあります。若い時から続いていることで、40代半ばになった今でも、抜けていないようです。
物理的、という訳ではなく、精神的なものです。夢中になっても長続きせず、突然、ストンッ、と心の空白が生まれるのです。そうして、何もかもがバカバカしくなって、急に遠ざけたくなり、終いには一切手を触れなくなるのです。
年が明けてから、二ヶ月が過ぎようとしている。来月下旬ともなれば、桜の開花予想がなされ、見頃時期などがテレビで放映される。もっとも、テレビを見なくなってから久しくなるので、わたしの場合、ニュースサイトからである。
否が応でも目に入る。
太宰治が玉川上水で身投げをしてから、約70年の月日が経っている。よくよく見れば、彼は大東亜戦争前に育った人間であり、戦後育ちとは異なった環境で作家として認められた。けれども、21世紀になった今でも、太宰治の力は健在であるように思う。
たとえば、太宰と言えば、「人間失格」をイメージする人が多いだろう。主人公である大庭葉蔵の手記として描かれ、人の心のマイナス面をこれでもかこれでもか、と書き連ねている。けれども、わたしが見るところ、冒頭部分で語り尽くされているように思う。一語で表わせば、「恥」である。おそらく今の人たちの中にも、こういう「恥」を感じながら生活している人がいるだろう。「人間失格」は、文庫版の累計で、600万部を越えているという。もちろん、これは21世紀の現在をも含めた数である。日本を代表するベストセラー作家の作品と言ってもいいだろう。