カッパと言えば、民俗学を思い浮かべる。数十年前の学生時代、一時期民俗学に夢中になり、祖父に頼み、伝説などを手紙に書いて送ってもらったことがある。もちろん、民俗学の講義も聴き、山と海の共通性を知り、平野育ちのわたしには、新鮮な気持ちだった。そんなこともあり、以下のニュースが気になった。
記事を読めばお分かりいただけるだろうが、近代民俗学の巨人とも言える柳田国男の故郷で、まちおこしの一環として、カッパを再現したとのことだ。グロテスクでリアリティがあり、夜に見てしまったら、腰を抜かしてしまう人もいるかもしれない。さすがは技術立国・日本、ということだろうか。けれども、グロテスクな点は、キリストなどを描いた西洋絵画を連想してしまうが、カッパ像であり、時代も変化しているので、堅いことは抜き、とも言えるだろう。(^o^)
そういえば、柳田国男には、「遠野物語」という有名な書籍があり、わたしも、何度か読んだことがある。カッパは、そこでも語られ、独特の薄気味悪さを感じた。日本の原住民との関係も、文学的に触れられ、妖怪もまた、その関係が指摘されていたと思う。しかし、激動の時代でもあり、柳田国男の見方は、途中で休止状態となり、以後、再開されることはなかった。原因には、色々あるだろうが、今のわたしには、特定の思想などに囚われることなく、歴史の中に埋もれたものが発掘されれば、と思っている。
わたしも、学生時代の一時期、「遠野物語」に刺激され、ある民俗学者の東北に焦点を当てた書籍なども読み、時々祖父の元へ出かけていた。祖父は母方であり、住まいは原町市にある。今では、すでに亡くなっているので、叔父が引き継いでいる。原町市とは、今の南相馬市原町区であり、東日本大震災で世界から注目された地域でもある。今でも、震災の時のもどかしい気持ちは忘れられない。
ところで、先のカッパであるが、やはり、一度見てみたいものだ。
兵庫県福崎町 。
訪れるには、もっと働かなくちゃ、と思っている。